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“2年前”のルフィのセンスが光る名セリフ・名シーン【ワンピース】

 ルフィは確かにかつてヒーローだった。

 だが、エースを助けるためにインペルダウンに侵入し、正論を述べるハンニャバルに「どけ!」と言ったのは、ルフィの真っ直ぐさゆえだけど、複雑な気持ちになった。

 シャボンディ諸島での修行を経て、二年後。ついに発言のキレと思考力が激減した。

 ルフィは女ヶ島の二年の修行で、動物と対話しすぎて人間の心を失ったかと思った。

 魚人島編ではそのグダグダ加減から、マンガとして読みにくさが増してしまいます。。(話自体がつまらないわけではない。賛否両論ありますが、タイヨウの海賊団の過去編などは考えさせられる話でとても好き。

 ビッグマム編では、そのキレが戻ってきた感触があり、とてもワクワクしています。

 しかし、それでもまだ二年前のルフィのほうが冴えていた気がするので、二年前のセリフで光っていたものを紹介します。

核心をついた発言たち

「こんな部屋があるからいけねェんだ!!!」

「おまえにこれほど効率よくあの女を使えるか?」

 ナミを道具としてしかみないアーロンの発言に対し、「使う?」とブチギレ、部屋を壊すシーン。

「いたくもねェ あいつの居場所なんて おれが全部ぶっ壊してやる!!!」

 そう言いながら海図を書かされていた部屋で暴れまわるルフィ。アーロンからすればそれはそれは地獄絵図だったろうに。

 アーロンにとってたまったもんじゃない瞬間ナンバーワン。「まじでヤメロよこのゴム男」と思ってたこと間違いなし。

「反乱してるやつらを止めたらよ・・・ クロコダイルは止まるのか?」

 ことの発端をつきとめるルフィ。今では考えられないほど頭が冴えてる。

「おれはクロコダイルをぶっとばしてェんだよ!!」と脳筋な言葉を吐いたかと思えばこれですよ。この有無を言わさぬ説得力。

「人は死ぬぞ」

 なにもかも守ろうとするビビに対して、現実を突きつけるルフィ。

ここからの、「おれたちの命くらい一緒にかけてみろ 仲間だろうが!!」はしびれるものがあった。

そして「なんだ出るんじゃねェか 涙」ですよ。かっこよすぎる。

 ただ、この頃のワンピースは、国一つ破壊する爆弾を0距離でくらっても生きてるので、若干説得力に欠ける。(モブはしらないけど、主要キャラは59巻まで誰一人死ぬことはなかった)

 この事実を知ってなお読むたび震えてしまうのは、すごいことだと思う。物語がほんとうに面白い証拠。

「ここが本当にあいつの国なら もっと…!!笑ってられるはずだ!」

 クロコダイルとの対峙中、ビビを思うルフィのセリフ。

こんな言葉が今のルフィに出せるのか?とも思うほどこれぞヒーローな発言。

「”黄金郷”は!!! 空にあったんだ!!!」

「うそつきノーランド」として誇りと言いにくい昔話にされてしまったノーランドの無念を晴らすシーン。

 たしかに黄金郷は存在していたことを、クリケット達に影送りで伝える、地味にジーンとくるシーン。

 これはセリフ単体というより、シーン込で輝くセリフ。(余談:空島編ってどうにも低い評価つけられてることが多いんですけど、個人的にトップクラスに好きです。)

 ちなみに、ルフィは「心理描写」を一切使わないキャラクター(脳内で考えてることのセリフがひとつもない)なんですが、このシーンだけは例外的に使ってます。

 作者:尾田栄一郎氏曰く、「心理描写っぽくなったけどこれはクリケット達にむけて叫んでるのです」とのこと。基本的にルフィは考えるより動くがメイン。

「ほらな 折れねェ」

 ワポルが仁義なく、たくさんのものをバカにしながらヒルルクの海賊旗(厳密には違う)を攻撃。それを身を呈して守るシーン。
 
砲撃を当たっても倒れないという演出が最高にクール。チョッパーもこのあたりで、ルフィに惚れ始めてたんでしょう。

 ただあえて突っ込むと、普通に折れてるんですけどね。ある種のヘリクツなんですが、見せ方としてはこれが最高にかっこよいのでうだうだ言う気にさせないのが素晴らしい。

「おまえなんかが笑いながらヘラヘラ折っていい旗じゃねえんだ!」

 海賊旗について熱く語るルフィ。
 海賊旗は命を誓う旗。

 ところで、一般的には略奪をする悪いやつらが海賊だけど、実際の海賊にもルフィ達のような人はいたんだろうか。

「悪いやつも実はいいやつ」の性善説を自分は唱えることが多いんですが、これはワンピースで植え付けられたのかもしれない。小さいころから読んでる作品に影響されるのは仕方ないですね。

「おれは助けてもらわねえと生きていけねェ自信がある!」

 急に剣をもって、アーロンに立ち向かうもまともに剣を使えないルフィ。

 そこで自分がいかに何もできないかを急に叫ぶ。一見ただの酔っぱらったバカに見えるこのシーン。

「おれは剣術を使えねェんだ コノヤロー!!!」「航海術も持ってねェし!!!」
「料理も作れねェし!!!」「ウソもつけねェ!!」

「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!」

「そんなプライドもクソもねェ てめェが一船の船長の器か!!? てめェに一体何がができる!!!」

「おまえに勝てる」

 人の役割はひとそれぞれで、できるひとができることやればいいんですよと思うセリフ。情けないようでかっこいいのがこのシーンのキモ。

 なんでもかんでもひとりでやろうとして、体調をくずしたり上手く行かなかったりする人が近くにいれば「頼れ」と言ってあげてください。どんなに強かろうが、強く見えてしまう人であろうが、人は1人では生きていけないんですよ。”人という字は〜”の文言は臭いようで真理。誰も彼も支え合って生きてるわけです。

垣間見える脳筋番外

「うるせェ!!! 行こう!!!!」

 たらたらと理由をつけて、ルフィたちの船に乗れないと勧誘を断ろうとするチョッパーに対し一蹴。

「うるせぇ行こう!」ですよ。むちゃくちゃ通り越して、無。虚無。

 だけど、この雑にも見えるストレートな誘いが、チョッパーの心のわだかまりを溶かすのでした。

 チョッパーにとっては、種別も性格も容姿も、なにも気にせず接してくれるルフィ達が何よりの救いだった。



むすびに

 ほんとにアラバスタや、アーロン編は名言(シーン込で)だらけで、文句なしに面白いなと改めて思いました。

 冒頭でも言いましたが、ビッグマム編(ホールケーキアイランド編)あたりで、かつての船長感が戻ってきた気がします。

 二年後のルフィって修行した成果をみせるためか、説明口調のセリフ回しがおおくて「挑戦者感」がなかったなぁと思うわけです。

 ビッグマム編は相手が「四皇」なだけあって緊張感がそれなりにあって好きです。それでも絵やセリフは読みにくいとは思いますけど。

 レヴェリー以降展開が本当にワクワクするもので、ワノ国編も楽しみでしょうがない。尾田栄一郎氏が体調を崩さず、楽しく描き続けてほしいと願うばかりです。働きすぎ。

(小さい「ェ」って打つの少し億劫でした)

 それではまた。

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