ルフィは二年の修行、及びエースの他界によって精神が壊れかけた。
そのせいか、以前の記事でも述べた通り、ルフィの発言のキレが減ってしまった。
今のワンピースは、ルフィに限らず敵味方問わず、みんながおのおの発言しすぎで、収集がついてない。(ただしブルックは常に美味しい役回りをしてる。ブルックは芯があって無骨でないからかっこいい。骨だけに。ヨホホ… )
セリフが雑多で、「クラブかここは」と思える言葉数が飛んでるが、ドレスローザ後半以降、段々ルフィにキレが戻ってきた。
二年後ルフィのかっこいいセリフ
おれは息が つまりそうだ!!
ドフラミンゴ戦でのセリフ。
「なんでもかんでもお前は手の中に閉じ込めて… … !!! どいつもこいつも操ろうとするから おれは息がつまりそうだ!!!」
「ここが本当にあいつの国なら…〜」に通ずるものがあるセリフ。ビビとレベッカでは、旅したり過ごした時間、実際に見てきたものが違うけど、ルフィが窮屈だと感じたのは同じ。
国民を考えるというか、自分本位の行動でありながら気がつくと他人を救う昔のルフィ的なセリフ。
基本的に好き放題に、自分の好きなように動くルフィで二年後のルフィはどこか抜けていたけど、こうしてたくさんを巻き込んで一つの国と人々を救う。正直その展開は同じながら、セリフひとつでこうもよく見えるのだと思えるシーン。
海賊王になってねェのが… お前だろ!!!
魚人島から引き続き、ビッグマムに喧嘩を売るルフィ。捕まって圧倒的に不利な状況なのに、この威勢を張れるのは船長感がある。アラバスタといい、パンクハザードといい、いつも捕まってるな麦わら一味。
ところで、この「最後に勝つのはおれ達だ!!!」にどことなく違和感を覚えたのは自分だけでしょうか。「おれ”達”」がルフィらしくないセリフにも思える。サンジが一度遠くにいってしまったからの発言なんでしょうか。
痛ェのはお前だろ!!!
ルフィVSサンジでのセリフ。
サンジ奪還にくるも、一切手を出さず、一方的に攻撃をうけるルフィ。サンジに力を加えて取り戻すことはルフィにとって意味はなかった。だから耐える。
空島を馬鹿にされて、ベラミー海賊団に好きにやられるシーンに通ずる、芯のあるルフィが見えるシーン。
完全にルフィが自分を取り戻していて、ゾワゾワした。
「旅はまだ途中だぞ!!!」
「おれはお前の作ったメシしか食わねえ!!」
サンジが作ったご飯を美味しく食べるルフィ。過去に王族故、他人に料理を振る舞うことを許されなかったサンジの回想シーンを挟み、それらが積み重なってサンジが涙する。
一方的にタコ殴り(蹴り)されたあとにルフィがサンジが必要であることを大声で叫ぶのですが、ルフィにとってこれは最初から決まっていたことで、ルフィはサンジが必要であることを、「おまえがいないと海賊王になれない」として糾弾。
サンジの夢であるオールブルーと、ルフィの夢である海賊王は、繋がっていないようで繋がっていて。何も支配しないことがルフィにとっての海賊王。全ての海の生物が集まる場所がオールブルー。
その結果、サンジのくだりの1話だけで、名シーンがポンポン生まれたのです。
二年前や今までの全シーン含めて、トップクラスに震えるシーン。
このとき「何もできねェから助けてもらうんだ」 そう言っていた過去のルフィが帰ってきてた。
むすびに
戻ってきたと言ってもやっぱり二年前に比べて、まだパンチが弱い。どれだけバウンドマンで威力をあげようと、まだ弱い。
何度も言うのですが、今のワンピースはごちゃごちゃしすぎです。絵もセリフも。みんなしゃべりすぎで、読者を聖徳太子にでもしたいのか尾田栄一郎氏は。
それでもレベッカの過去や、ホールケーキアイランドのサンジ奪還編の話は面白かった。全盛期ほど読みやすくもなければ、勢いも減っていたけど、レヴェリーなどの展開は正直とても熱い。普段コミックス派なのにジャンプを読んでしまってるほどに熱い。リアルタイムでついていきたい欲が出てしまった。
つまり、話自体はブレずに面白いんです。見せ方、書き方が変わってしまっただけ。
むかしのスッキリした線のワンピースに戻ることはないでしょうが、ストーリーはワクワク。今の展開は次が楽しみでしょうがないです。
ではまた。