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今知ってるとちょっと通かも?なマンガ【マチネとソワレ・北北西に雲と往けetc】

誰も興味ないであろうシリーズ。自分が好きで読んでいる現在連載中のマンガの一部を紹介します。
最初に断りを入れますが、マイナーじゃない作品も混じってます。あくまで「ちょっとマイナー」であることをご留意ください。

ちょっとマイナー寄りの連載作品

北北西に雲と往け (ハルタ)作画・原作:入江亜季

軽いあらすじ

広大な土地、アイスランドを舞台にしたマンガ。主人公:慧(けい)は車の声が聴こえる。職業:探偵。

北緯64度のランズエンド。主人公の御山慧には3つの秘密があった。

ひとつ、クルマと話ができる。
ふたつ、美人な女の子が苦手。
3つ、その職業は、探偵。

引用:1巻帯ウラより

職業探偵。表紙の肌触り。タッチの繊細な絵が自然を美麗に表現。

主人公の慧含め、美人ヒロイン「カトラ」、おじの「ジャック」ともに、ちょっと特殊な能力をもっていて、それらがそこはかとなく素敵。

手から火がでるとか、腕が伸びるとかそういう能力でなく、「世の中にこういう変な事言う人人たまにいるよね」と思える能力。能力マンガではないです。

慧のきどった感じが画になるんですよ、絵なんですけど。

最初はアイスランドの世界をマンガで堪能するものマンガなのですが、後半につれて「謎」が生まれる。

ただひたすらに、アイスランドで探偵の生活を見るだけでも楽しいのに、ストーリーにもしっかりと引きがある。1巻のラストは唆るものがあり。

なんの目的もないのに、アイスランドに行きたくなってしまうマンガ。絵も話もとても美しい。

マチネとソワレ (月刊少年サンデー)作画・原作:大須賀めぐみ

自分が敬愛する奇才:大須賀めぐみさんの最新作。

軽いあらすじ

兄弟共に俳優、しかし優秀すぎる兄「御幸」がいたせいで「2号」などと称され、個としての評価を受けられなった弟「誠」。

その優秀な兄が亡くなってもなお、いつまでもそのしがらみに囚われる。あるときなんの拍子か、誠は「自分が死んでいるパラレルワールド」に舞い込んで、その世界では「兄(御幸)」が生きてる。兄弟のしがらみが消えて、兄を越えようとする奮闘劇。

蝶の羽ばたきからのパラレルワールド展開は、バタフライエフェクト演出でとても良い。前作の「ヴァニラフィクション」でも、度々カオス理論が挙げられてて、現実から離れすぎないSFが好きな人には是非。

ただこの作品、冒頭が冒頭だけに、人を選んでしまう。大須賀めぐみ作品に慣れてると平気なのですが、あの奇のてらい方はちょっとオススメし難い点になってしまう。

なので、大須賀めぐみ渾身の処女作「魔王ジュブナイルリミックス」から読むのが確実かもしれません。読み終える頃には、大須賀めぐみ作品は全部読めるようになってるはず。

大須賀めぐみ版の魔王は、伊坂幸太郎作品が色々リミックスされてるので、伊坂さんファンは楽しめること請け合い。

彼女の作品は驚きの連続。マンガだからこそ面白い表現が盛りだくさん。彼女単体の「VANILLA FICTION」も、伊坂幸太郎×大須賀めぐみの「魔王」も「Waltz」のどれも面白い。

アクタージュ act-age(週間少年ジャンプ)原作:マツキタツヤ
作画:宇佐崎しろ

「ガラスの仮面」や「累(かさね)」に少し通ずる役者もの。前述の『マチネとソワレ』も役者もの。
女優を目指す主人公「夜凪 景(よなぎけい)」に敏腕監督「黒山墨字(くろやま すみじ)」が目をつける。

夜凪は、役に没入し、感情を思い出す「メソッド演技」を自己流でマスターしていて、演技がはじまれば何をしでかすか分からないワクワクがこの漫画の面白いところ。

役を演じることを「思い出す」と表現する夜凪。黒山「よくわかってんじゃねぇか」 

メソッド演技はよいのだけど、あまりにも没入しすぎるタイプは危険とされていて、作中でも「危険物扱い」されてる。ニトロ。じゃじゃ馬。

それでもその演技に心打たれる人が存在して、演技で周りを納得させる姿は痛快。

1話の内容は結構暗めなので、それが読者にとってマイナスだったけど、段々ライトにポップな内容になってきてる。

どうにもジャンプで人気の取れる作風でないので、連載初期はアンケートがかなり弱く、掲載順位が低かった。

けど最近(2巻が発売されたあたりから)巻き返してきて半分より前に載っているので、段々と人気が出てきた様子。嬉しい。安定してテコ入れなどせずに話がすすむと嬉しい。

特筆すべき点は他にあるけど、とりあえず言わせてほしいのは主人公の夜凪ちゃんがかわいい。夜凪ちゃんへの作画の込め具合が明らかに高い。「夜凪景」ネーミングもよい。

一巻の表紙はいわゆる「ジャケ買い」するひともいるんじゃないでしょうか。上の消防庁とのタイアップの絵も1巻の表紙のもの!
3巻は急に打ち切り臭のする表紙になって笑ってしまった。打ち切られないでくれ。コミックス買ってるよ。

ヒナまつり (ハルタ)原作・作画:大武政夫

軽いあらすじ

女子力(生活力)が無駄にハイスペックな893「新田」と、無から急に現れた超能力少女「ヒナ」の日常系ギャグ漫画。

自分で書いてて分けがわからない一文あらすじですが、読めばわかります。ほんとにこうです。超能力で日常系ってなんだと思うかもしれませんが、気にしないでください。そのまんまです。

登場シーンがいつみてもまったく意味がわからない。空中からポンっと生まれて登場し、優雅にツボをオークションで楽しむ新田(インテリ893)の生活を全力で破壊する超能力少女ヒナ。

世間知らずで、あらゆる返答がずれてるヒナがシュールの極み。

登場人物がみんなぶっとんでて、瞳が多忙になるエピソードは最高。瞳有能。詩子さんは作中屈指のクズである。

話ひとつひとつのストーリーが上手で面白くて、オチまでの流れがほんとにきれい。

ギャグ漫画で「きれい」って褒めてるのかどうなのって話なんですが、本当きれいなんですよ。それも話にムリがなく自然。

アニメ化には原作ファンも満足

2018年にアニメ化もしたので、マイナーもなにもないんですが、原作もめちゃくちゃ面白いんですよこれ。

アニメでのノリが原作ファン歓喜もので、最高でした。新田のシュールなツッコミが本当に冴えてる。アニメのテンション、イメージ通りでした。

短編集の「東京発 異世界行き」もヒナまつりが面白いと感じたならそれなりに面白いはず。テイストが似てるようで違うので、それなり。ヒナまつりのほうが話作りの上手さは格段に上手いです。

やっぱり「ヒナまつりのキレは凄まじいんだな」とこれを読んだ後に思いました。超能力少女とヤクザって設定で、あそこまで噛み合わせる話作りの上手さ。

最果てにサーカス 作画・原作:月子

「カメラと彼女の季節」の月子さん作、詩人:中原中也を巡る事実を元にしたノンフィクション作品。

軽いあらすじ

天才詩人:中原中也(なかはらちゅうや)と秀才文豪:小林秀雄の出会いを描いた作品。

「ゆやーん ゆよーん ゆやゆよん(サーカス)」

学生時代、教科書でその一節を読んでずっとずっと記憶の片隅に残っており、その作者「中原中也」にも興味が湧いていたので、改めてこの作品で彼に触れられてよかった。

面白い感性をしてる分、煙たがられる中原中也。非難を浴びるのは、時代に名を残すものの常。

中原中也の詩が引用されるシーンは、フォントが変わり印象的。ふたりの才あるもの文壇劇はハラハラする。

作家は作家を尊敬しつつ、やはり嫉妬もするもの。尊敬してるのに仲違いして、ひとりの女性をめぐってさらに関係はこじれたり。いつの時代も男女関係ってのはめんどうなもの。

既刊3巻にて「第一部完」となっていますが、どうやら連載終了のようでした。フィクションでない作品で文豪モノは少し珍しく、楽しみにしていたので残念です。
今も新作を書いてる様子。彼女の作品は実写化によく似合うので、そのうち実写化するんじゃないかなと勝手に思ってます。



むすびに

好きな作品があって、それらが「連載中」であるのは結構稀な瞬間。好きなマンガほど連載がとっくにおわっていたり、はたまた打ち切りを食らっていたりする。リアルタイムで作ってる人がいて、それらをリアルタイムで追えるのは感慨深いものです。

「終わってから読むわ」と言う人もたまにいますが、連載中の作品を追いかけるのも楽しいですよ。作品のよさに鮮度は関係ありませんが、「いまこの瞬間に作品が生まれてる」と思うと連載中に読んでみたくなりませんか?

それではまた。

王道から思わぬ作品との出会いまで

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