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「波よ聞いてくれ」が面白いから聞いてくれ【ラジオマンガ】【沙村広明】

 斜陽産業、ラジオ業界。そんなラジオ業界に一石を投じる(?)マンガ、それが「波よ聞いてくれ」。

「無限の住人」「おひっこし」「ハルシオン・ランチ」「幻想ギネコクラシー」などの沙村広明最新作。

 エログロなど、尖った要素が多い作風の彼だけど「波よ聞いてくれ」は万人にオススメできる。(…少なくとも今の所は)

「波よ聞いてくれ」がおもしろいから、聞いてください。

ネタバレなし。そもそもネタばらしするようなことが今のところ、ほぼないので、杞憂かもしれません。

波よ聞いてくれが面白いから聞いてくれ

あらすじ

鼓田(こだ)ミナレ、20代独身。札幌在住、スープカレー屋勤務。
ひょんなことからギョーカイ人の中年男性にダマされ、ワケも分からずラジオDJデビュー。カレー界とラジオ界の覇道を歩むべく奮闘はしないが、真の愛と幸せと享楽を求めてオンナは戦い続ける、に違いない。
さあさあさあ、波よ聞いてくれ!!!

引用:アフタヌーン公式サイト「波よ聞いてくれ」より

 沙村氏本人のコメント。若干滑ってる気がするけど、波よ聞いてくれを読んだ後だとわりと面白く思えるこの紹介文。

簡単に言うと、飲み屋で酔っ払ってる時にラジオのディレクターに騙されてそのままMCになります。(そのまんま)

 酔っ払いのむちゃくちゃ与太話が電波にのってしまったわけです。

 たいていの酔っぱらいって酔ってるときの発言覚えてないじゃないですか。しかも好き放題しゃべるじゃないですか。それこそあることないこと。それが電波にのるわけですよ。そりゃ血眼になってカレー屋の作業ほっぽいて、ラジオ局にいっちゃいますよ。

 8割の人はそんなことされたら様子見るか、やっちまったーなぁとビビって縮こまるところ。それが鼓田ミナレの場合、直談判からの、リアルタイム出演。このフットワークの軽さ。このテンポの良さが癖になるわけです。

公式で一話まるまる読めます

アフタヌーン「波よ聞いてくれ」

独特のテンポと日常的で非日常

 沙村広明作品でありながら、超能力も出なければ、人もバカスカ亡くなるマンガではない。

 根本は日常系なんですが、鼓田ミナレをはじめとして、セリフが濃い。これぞ沙村作品の特徴です。

 線の濃さがあるキャラより、セリフが濃い。内容がない様で、切れ味バツグンの鋭い発言を流れるように打ち込んでくる。

小ネタがいちいち秀逸

 どのキャラも一定のボケがあって、それがめちゃくちゃ細かい。ツッコミがないと成り立たないようなボケ。これが妙にマニアックで面白いのです。

ただ今の10代や若い層には、やや受けが悪い気もする。

 ノリや背景が若干大人寄り(ボケやツッコミで出てくる著名人の名前的に)なので、ある程度の年数生きてないと、わかりにくいものが多いです。

 わかりにくい原因は語彙であったり、カルチャーの背景知識であったり。(自分も全てのボケがわかるわけではないので、偉そうなことは言うつもりは毛頭ないです。)

 でも、わかれば本当に面白いと思えること請け合い。

 マンガを読んで知識が増えることなんてしょっちゅうです。読んだその時にしらなくてもいいんですよ。時間をあけて、繰り返して読めば、「あーこれそういうことか」と思えます。ただ時間をあけるだけじゃ、そうならないですけどね。

 驚くほど物知りな10歳もいれば、がっかりするほど何も知らない40歳もいたり。若年層に受けにくい要素はあるけど、一度うけたら抜け出せない沼感。知ることに歳はあまり関係ないです。色んなものに触れれば触れるほど、色んな物が面白く見えてきます。

常に安定したテンポとネタ数

 10代にうけにくいだのどうの言いましたが、どのシーンも安定して面白いです。

  色んなページにも小さいボケがあって、枠外の文字ひとつひとつが面白い。1ページ1ページの密度が濃い。

 「猟銃・買い方」でググる25歳女性とか最高じゃないですか?

 B級のノリが常に続いて安定して面白いんですが、ときたま(すみません)抜群に面白い。

 ミナレの名前の話なんて、読んだあとに「うおーおもしれえー!!」と家で叫んでしまった。

 いつもは「安定しておもしれえなー」とふふっと笑う程度なのですが、あのくだりは本当面白かった。いきあたりばったりなストーリーかと思いきや、あれは反則ですよ沙村広明さん。B級から一気にS級展開。ぷりぷりプリズナーですよ。

主人公:鼓田ミナレが魅力的

この漫画はなんといっても、鼓田ミナレの慢談を楽しむ作品。そして頭のキレ。
 「コミックスの表紙が毎回が鼓田ミナレ」ってくらい作者も推してる。魅力的なキャラは他にもいるけど、「波よ聞いてくれ」に関しては、鼓田ミナレがピカイチ。

魅力:美人。そして男勝りな性格。

 美人な容姿。男従業員が惚れてたり、ディレクターの麻藤さんも「黙ってたほうがモテると思う」と言う。ラジオ局で喋らせてるのは麻藤さんの仕業でしかないのに。

魅力:並々ならない活力

 そして常人から逸脱した活力。その場しのぎで適当にモノを言ってやりすごす姿は、もはや一休さん。発言にとんちがきいてる。セミなみに刹那を生きてる。

 ミナレはお金がなくなってアパートを追い出されるんですが、それでもヘコタレない。「生きてりゃなんとかなるんだな」って思わせてくれるから、ミナレの生き様はよい。生きてるだけで儲けもん。

感情的なのにロジカルなセリフまわし

 ミナレはつねにふざけたことばっかり言ってるんですが、それらどれもこれもロジカル。

 ボケもひねったものが目立つ。

 そしてツッコミ。彼女のツッコミは、勢いがあるのにめちゃくちゃ論理的。

 しかもそれに嫌味がない。

 ちょっと頭を回転させた理屈っぽいツッコミをするんだけど、さっぱりしてる。ロジカルなツッコミを感情的に勢いよく乗せる。(ボケがそもそも理屈っぽいからかもしれませんけど)

 その嫌味のなさが、本当に気持ちよくて、いつまでもミナレの管巻きを聞いていたいと思える。嫌味なく理屈っぽいのは、地味にすごいことで、技量が要ります。ミナレのラジオがあったら間違いなく聴いてる。

女性がコミカルなラジオ番組ってあまりみたこと(聴いたこと)がないのですが、なにかオススメあれば教えてください。情報提供お待ちしてます。

むすびに

 ラジオドラマ化はもうとっくにしてるので、次は実写を期待。

 このマンガでラジオ業界が、ちょっとでも盛り上がると嬉しいな、と思う次第でした。作品「波よ聞いてくれ」が電波にのってバズってくれたらちょっとは盛り上がるでしょう。

 「波よ聞いてくれ」読んでくれ。そんで、たまには、ラジオ聞いてくれ。といった具合でございます。

 ではまた。

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