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【BLEACH】声に出して読みたいブリーチネーミング選手権【卍解】

 BLEACH。久保帯人師匠のセンスというセンスが溢れ出た作品。

魅力あるキャラクターデザイン、セリフ回し、ポエム。そしてネーミングセンス。

 キャラの描き分け、絵のレベルの高さ、ツイッターの炎上、彼の秀逸(?)な点は数あれど、今回はこのネーミングにスポットをあてて紹介。BLEACHのネーミングってほんとに口に出したくなるんですよ。久保帯人大先生のセンス計り知れない。KBTIT。

 なるべくBLEACH未読の方でも読めるように配慮したつもりですが、ネタバレをどうしても若干含むので、少なくともソウルソサエティ編まで読んでる方向けです。

声にだすと気持ちいいネーミングエントリー

エントリーNo1.金色・疋殺地蔵(こんじき・あしそぎじぞう)

 こんじきあしそぎじぞう。毒々しい外見を持った護廷十三隊きっての策士・涅マユリの卍解。

 記念すべき初卍解。相手や環境によって毒の配合を変えたりと、技術開発局局長の名に恥じない研究とリサーチ力の高さがウリ。そして外道。

卍解とは

斬魄刀(死神達が一人一本もっている刀)には二種類の開放があり、第1解放を「始解」第2解放を「卍解」と言う。

 死神として頂点を極めた者のみに許される、斬魄刀戦術の最終奥義。 死神として、他と隔絶した超然たる霊圧を生まれ持つ四大貴族といえど、そこに至ることができる者は数世代に一人と言われ、それを発現できた者は、一つの例外もなく尸魂界の歴史に永遠にその名を刻まれる。
 それが卍解。

(引用:朽木白哉談)

 久保帯人先生本人もコスプレをするくらい優遇されているキャラ。

 当時、あまりのはっちゃっけぷりに偽物だと疑ったが、本物だった。

エントリーNo2.大紅蓮氷輪丸(だいぐれんひょうりんまる)

 日番谷冬獅郎(ひつがやとうしろう)の卍解。氷雪系最強と作中でうたわれながらも、見せ場がまるでない。氷雪系の斬魄刀も作中で数本しか出ておらず、もはや凄みが一切不明の日番谷。少し老けるな。雛森を刺すな。

エントリーNo3.兵主部一兵衛(ひょうすべ いちべえ)

 霊王宮を守る零番隊。

 彼が登場して真っ先に頭に浮かんだのは、磯部磯兵衛だった。磯部磯兵衛物語〜浮世は辛いよ〜の主人公。(当時どちらも連載してたので余計に脳裏に)

 しかし、磯兵衛とは貫禄からして違った。

普段温厚な表情を見せる彼だけに「こ◯すか」シーンはぐっときた。能力も非常にオサレ。

◯◯「あまり強い言葉を使うなよ」

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エントリーNo4.白露罸(はっかのとがめ)

絵心ないのに書いてみると、繊細なタッチがムズすぎました やっぱり久保帯人先生はすごい

 驚きの白さ。

 朽木ルキアの卍解。ボールドもびっくりの漂白っぷりで、「ここまで美しいならもう背景なんていらないな」と納得してしまうほど、線の美しさが際立つ卍解だった。まさしくブリーチ(漂白)

 兵主部一兵衛(ひょうすべいちべえ)の能力もそうだが、黒と白だけの掻き分けで、魅せるシーンの画力の高さはピカイチ。

エントリーNo5.チルッチサンダーウィッチ

この29巻の表紙のこの子がチルッチサンダーウィッチ。

破面(アランカル)No.105。

ネーミングは好き。その他は賛否両論。高速振動する羽の姿はチェーンソー。

エントリーNo6.グリムジョー・ジャガージャック

 通称(?)GGGJ。グリムジョー・ジャガージャック。彼の解放や素行はあまり褒められるものじゃなかったが、最後まで憎めないキャラクターだった。

 更木剣八しかり、純粋に戦いを楽しむキャラはどうにも憎めない。ただの脳筋と言ってしまえばそれまでなんですが。

 野良から十刃(エスパーダ)に上り詰める彼の生き様は、とてもかっこいい。

 ツンデレで傍若無人なキャラが相まって、結構人気なキャラ。声優も諏訪部順一担当で、これまた人気。

黒子のバスケの「青峰大輝」、テニスの王子様の「跡部景吾」、シャドウバースの「ユリウス」など孤高のキャラが多い印象

 諏訪部順一が演じるキャラは王様で髪が青い。(サンプル数わずか3)

エントリーNo7.更木剣八(ざらき けんぱち)

 初登場時の絶望感の尋常がなかったキャラ。基本的に霊圧のゴリ押し。脳筋な場面が多々見えるが、戦闘能力は高いので、他の死神から一目置かれている。

 侵入者である一護に、ハンデとして先に切らせたり、ツンツン頭に鈴をつけて敵に位置を知らせたり、わざと霊圧を抑えて戦ったり舐めプレイをよくする。強者の余裕が非常にクール。

「ざらき」と濁ったトゲトゲしたネーミングな名字から、「けんぱち」の言葉のかわいさ。「ぱち」がわたパチみたいで愛嬌がある。わたぱち美味しい。

11番隊副隊長の「草鹿やちる」との絡みも相まってこれまた余計に。あんだけゴツゴツ・ツンツンしてるのに、どこか愛くるしさがあるのが病的に謎。


 初代剣八の名前ネタしかり、破綻はありつつも、話はデザインされていて、文字遊びとして面白かった。

 基本的に奇想天外な行動を起こすので、更木剣八が出てくるとやたらワクワクと安心感がある。

余談

岩手県に更木市があるのですが、こちらは「さらき」。更木剣八の名も、作中で流魂街にある地名から命名してますが、「ざ」と読むのは更木剣八だけ。

エントリーNo8.清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)

 東仙要の卍解。漢字8文字の並びが圧巻。文字面だけみると圧迫感があるが、読んでみるとあら不思議。スラスラ読める。

 「広範囲のドームを作り出し、その中では触覚以外の相手の五感を全て奪う」といった、それなりに強めな能力だったけど、どうも相手が悪かった。前述、ナメプ常套犯の戦闘狂・更木剣八にとっては、斬られることもまた楽しみでしかなかった。

「斬られる感触が残ってるなら、斬られちまえばいいじゃねえか」と更木流ゴリ押しであっけなく敗れる。触覚が残っていたのと、剣に触れたら五感が戻るという仕様により、東仙要はやむなく敗退。一時撤退。

 アランカル編での狛村ワンちゃんへのあのセリフは許すまじ。

エントリーNo9.黒縄天譴明王(こくじょう・てんげんみょうおう)

 狛村隊長の卍解。わんちゃん。兜巨人・明王を召喚する。

 動きがリンクしているので、動きはワンちゃんの思うがまま。しかし、まさかのダメージまでもリンクする仕様。でかいほうにダメージが行けば、わんちゃん自身もダメージを受ける。不憫で仕方がない。マユリの卍解を見習ってほしい。

 ワンピースのカポネ・ギャング・ベッジの大頭目(ビッグファーザー)もダメージがリンクするようで、黒縄天譴明王を思い出した。

 ビッグマムにひたすら殴られ、痛がる姿は、狛村のそれを彷彿とさせるものだった。あれはダメージがなかったら鉄壁すぎるので、致し方ないなぁとも思う。慈悲。

エントリーNo10.バンビエッタ・バスターバイン

コスプレイヤーの福さん。クオリティ高し…

 最終章で登場したかわいいクインシー、バンビエッタ・バスターバイン。

 バンビからのエッタからのバスターからのバイン。なんだこの語感の良さは。

 ゾンビ化したり、リョナされたりと好き放題されて、これまた不憫なキャラだったりする。ゾンビ化してからのジジとの絡みは健全なサイトには書けないくらい卑猥。下手なラブコメや18禁よりよっぽどエロい。

 そんなバンビエッタ・バスターバインちゃん。とにかくかわいい。そして名前もかわいい。バインが男の欲を刺激する絶妙な語感で、たまらない。(実際隠れ巨乳設定がある。バインでボイン。) 
 
 ただしクソビッチ。ストレスがたまれば、自分の部屋に男を連れ込み処刑するど畜生である。 それでも不変の事実、かわいい。わんちゃんの卍解を返してくれ。


どっから生まれたんだってネーミング

エントリーNo番外:卍解(ばんかい)

一護の卍解シーンはフルカラーであり巻頭カラー 歴史的瞬間だった

 この記事にてすでに散々登場してるんですが、「卍解」のセンスの良さ。

 そもそもなんですか卍解って。第一開放が「始解」。解放を始める。これは第一段階で、意味もよくわかる。

 でも次の解放が「卍解」ですよ。二段階目だからって安易に「二解」とか「次解」じゃないですよ。卍解ですよ。かっこよさが天元突破してる。限定解除。センスが半端じゃない。

久保帯人、まじ卍

 どこから「卍(まんじ)」を卍(ばん)と読む発想が生まれたのか。まじまんじと言わざるを得ない。久保帯人、まじ卍。卍って言葉が流行ってから真っ先に出てきたのは「卍解」だったくらい言葉が強い。ブリーチ読んでた人は全員そうなんじゃないでしょうか。違いますか。

ずっと昔からあったようなネーミング

 ブリーチは初っ端からセンスの塊だったけど、卍解は別次元でそのセンスを疑った。「始解→卍解」のセンスは常人のそれじゃない。

 彼のネーミング全般に言えることですが、既存の言葉じゃないのに、こんなにしっくりくるのが本当にすごい。まるで昔から当たり前にあったかのようなネーミング。師匠と言われる所以を感じる。

 平成の次の元号を久保帯人氏に作ってほしい。

(ちなみに初めて卍解を披露したのは前述通り涅マユリ。卍解の名の初出はそれより少し前)


むすびに

 ただ韻を踏むだけでなく、リズムのよい言葉をうまく組み合わせるKBTIT。

 仮にラッパーに転職しても優秀な気がする。彼は音楽好きで、曲からキャラクターを創造するくらいなので、彼ならできそう。作中ではNIRVANAの引用が異常に多い。

(ちなみにキャラクターひとりひとりにテーマソングがある。)

 ただセンスが別次元すぎて、ラップとして機能するか疑問は残る。

 ともあれ、ほんとに語感の良い言葉を選定して、創作する。マンガで読んでも魅力的、アニメで音として聞けばより記憶に定着するネーミング。口に出せば出すほど気持ちが良い。

 設定がガバガバだったり、後付の激しい所も多いけど、センスと週間連載のライブ感で許されてる感じがある。BLEACHだから許されてる感。設定の破綻はノベライズの成田さん達に任せよう。

 あなたはどのネーミングがお好きでしょうか。



 少し前のジャンプ(7/30号)で待望の新作(読み切り)「BURN THE WITCH(バーンザウィッチ)」が連載されてましたが、導入、ネーミングなどなどはやはり光ってた。最後のシーンはそれなりに衝撃的で、そうくるかーと思った次第です。(ネタバレ防止のため曖昧気味)

 読み切りのタイトルの表現と、あの繋がりをみて、改めて久保帯人の異常なセンスの高さを思い知らされたのでした。

 それではまた。

<文・編集 = hitoto(@tonariniwa

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