「Hermes Agent、Claude Codeを使ってる自分も入れたほうがいいの?」

気になって自分のユースケースなどを棚卸ししつつ検討しました。

調べた結果、Claude Codeを使っているなら、急いで入れなくていいかもしれないと感じました。理由はできることの大半が重なっているから。入れる意味がはっきりある場面は、3つだけです。

その3つは「LINEから使いたい」「Claude以外のモデルも1つの窓口で使いたい」「育つ仕組みを触ってみたい」です
どれにも当てはまらないなら、今のClaude Codeのままで足ります

この記事は、自分のMacにHermes Agentを実際に入れて、初期設定の中身と動作を確かめた段階のまとめです。会話したのは動作テストの1回だけで、使い込んだ感想ではありません。比べる相手のClaude Codeは、Maxプランで、台本や記事づくりに毎日使っています。

言のハト
言のハト
気になったきっかけは、あまり覚えていません
AI活用系の記事でアイコンを見かけて、なんだろうと気になった気がします

Hermes Agentとは? 何ができる?

自分のパソコンで動かしておいて、チャットアプリから話しかけて使うソフトです。話しかけられると、AIモデル(ClaudeやGPTのような、考える役のAI)を呼び出して、ファイルを作ったりコマンドを実行したりします。

家のMacに留守番の助手を置いて、外からチャットで用事を頼む。そんな形です。

これが「Hermes Agent」。Nous Researchという開発元が公開している、オープンソース(中身が公開されていて、無料で使えるソフト)のAIエージェントです。

Hermes Agentの仕組み(チャットアプリから話しかけると、自分のマシンで動くHermes AgentがAIモデルを呼び出す)

できることを並べると、チャットアプリからの指示、AIモデルの切り替え(ClaudeやGPTのほか、自分のパソコンの中で動かすローカルLLMも選べる)、普通の文章で頼める定時実行、スキル(作業の手順書)などです。

売りは、使うほど育つこと。Nous Researchが公開している公式リポジトリのREADMEは、学習の仕組み(learning loop)を最初から備えた唯一のエージェントだ、とうたっています。記憶(会話をまたいで覚えておくメモ)とスキルを、エージェント自身が書き足していく仕組みです。

ただし、育つところは公式の説明。 自分はまだ体験していません。

個人的にClaude Codeが育ちまくってしまってるので、使うとしたらこのあたりのハーネスを共有する感じになりそうです。

Hermes AgentとClaude Codeの違いは? メリットを比べる

今のClaude Codeと比べた差の大きさを、表にしました。

メリット中身Claude Codeと比べた差
LINEから話しかけられるLINE・Telegram・Discord・Slackなどに対応LINEは大きい。ほかはRemote Controlとチャット連携で足りる
AIモデルを選べるClaude・GPT・ローカルLLMなどを切り替えられる中くらい。1社に縛られない
使うほど育つ記憶とスキルをエージェント自身が書き足す小さい。Claude CodeにもCLAUDE.mdとスキルがある
定時実行を文章で頼める「毎朝5時に」のように予約小さい。Claude Codeにも定時実行がある
無料で試せるMITライセンスのオープンソース。Claudeの定額でも動かせる(条件あり)小さい

いちばん差が大きいのはLINEです。Claude Codeのチャット連携(channels)は研究プレビュー(お試し公開)の段階で、Claude Code公式ドキュメントのchannelsのページに載っている対応先はTelegram・Discord・iMessageです。LINEの記載はありません。

ただ、外から指示を出すだけなら、Claude Code公式ドキュメントにあるRemote Control(手元で動いているClaude Codeを、スマホやブラウザから操作する機能)でもできます。自分も、家に置いたMac miniでClaude Codeを動かしたままにして、外出先からスマホで指示できるようにしてます。

AIモデルは、1社に縛られないのが差です。Claude・GPT・ローカルLLMなどを、1つの窓口で切り替えられる。ただ、GPTにレビューさせたいだけなら、OpenAIが公開しているClaude Code用のCodexプラグインがあります(Codexは、OpenAIのコーディング用AI。プラグインは、あとから足す拡張機能)。その用途だけなら、Hermes Agentを入れなくても済みます。

残りの3つは、差が小さい。Claude Codeにも、公式ドキュメントのmemoryのページにあるCLAUDE.md(指示や覚え書きのファイル)、skillsのページにあるスキル、「Run prompts on a schedule」のページにある定時実行があります。Claude Codeには、Claudeが自分でメモを書き足す仕組み(auto memory)もあります。無料で試せる、には条件があります。定額の枠の使われ方です。

言のハト
言のハト
表をひとことにすると
「LINEとモデルの切り替え以外は、だいたい今のClaude Codeにもある」です

Hermes AgentはClaude Maxの定額で使える? 使用量はどうなる?

使えます。ただし、標準のログインのままだと、定額の枠は使われません。

Hermes Agent公式ドキュメントの「LLM and Model Providers」のページには、標準のAnthropicログインは、Claude Maxプランで追加使用量(定額の枠を使い切ったあとに従量で払う分)を購入している場合にだけ動き、Maxプランに含まれる枠は使われない、と書かれています。

Hermes Agent公式ドキュメントの注意書き(標準のAnthropicログインは、Claude Maxプランで追加使用量を購入している場合にだけ動く、と書かれている)

定額を払っていても、標準のログインだと別払い。こわすぎ。

定額の枠で動かす道は、Nous Research公式のプラグイン「Claude Subscription DirectSDK (Experimental)」です。名前のとおり実験版(v0.3.0)で、手元の公式Claude Codeを、1回の呼び出しごとに起動して使う方式です。

使用量は、普段の対話より重く数えられます。このプラグインのREADMEによると、数え方はclaude -p(対話画面を開かずに1回だけ実行する使い方)と同じで、対話画面の約1.7倍です。5時間の枠(定額プランの使用量が5時間ごとに区切られる上限)で回せる量は、対話の約6割と見ておくように、とあります。Sonnet 5(Claudeのモデルの1つ)のAPIの定価(使った分だけ払うときの値段)に直すと、対話が約11ドル相当、プラグイン経由が約6.5ドル相当です。

同じ5時間の枠で使える量の比較(Claude Codeの対話が約11ドル相当、Hermes Agent経由が約6.5ドル相当。プラグイン作者の実測)

この数字は、プラグイン作者側の実測です(2026年9月9日・Proプラン・Sonnet 5)。自分のアカウントでは測っていません。

READMEには、枠を超えた分の課金を避けたいなら、アカウント側で追加使用量を無効にしておくように、ともあります。

自分のMacでは、このプラグイン経由(モデルはSonnet)で動作テストを1回しました。空のフォルダにhello.txtを作って1行書き、読み返して報告する作業で、かかったのは13秒、モデルの呼び出しは3回、1回あたりの入力は約2万トークンでした(トークンは、AIが文章を数える単位)。5時間の枠がどれだけ減ったかは測っていません。

Anthropic側は、外部ツール経由の使用量の扱いについて、変更を保留中です。Claudeヘルプセンターの記事「Use the Claude Agent SDK with your Claude plan」(更新日の表示は2026年6月16日)の冒頭に、今のところ何も変わっておらず、claude -pやサードパーティ製アプリの利用は引き続き契約の使用量の上限から引かれる、という告知があります(2026年10月4日に確認)。

Hermes Agentのデメリットは? 入れる前に知っておきたいこと

使用量のほかに、導入にあたって知っておくべきことが4つあります。

初期設定では、自分のマシンの上でそのまま動く

Hermes Agentがコマンドを実行する場所は、初期設定だと自分のマシンそのものです(設定のterminal.backendがlocal)。自分がターミナルから触れるファイルには、Hermes Agentも触れるということです。Hermes Agent公式ドキュメントの「Hermes Agent Configuration」のページには、Dockerなど、囲いの中で実行させる設定に切り替える方法も載っています。

危険なコマンドの判定は、同じドキュメントの「Security」のページによると、初期値では補助のAIがリスクを見て、低いものは自動で通し、危険なものは自動で止め、迷うものだけ人に確認する方式(smart)です。

Claude Codeの資産は、そのままでは持っていけない

取り込み用のコマンド(hermes import-agent)はあります。ただ、Hermes Agent公式ドキュメントの「Import from Other Agents」のページの表を見ると、対象は~/.claude(全プロジェクト共通の設定置き場)で、スラッシュコマンドは、スキルに変換するように、という注記つきでスキップされます。プロジェクトごとの.claude/は載っていません。

自分には、自作のスラッシュコマンドが30本以上あります。これはそのままでは持っていけない。

指示ファイルの扱いにも注意があります。Hermes Agent公式ドキュメントの「Context Files」のページによると、プロジェクトの指示ファイルは1セッションに1種類しか読まれません。優先されるのは、.hermes.md、AGENTS.override.md、AGENTS.md、CLAUDE.md、.cursorrulesの順です。CLAUDE.mdしか無いフォルダなら、そのCLAUDE.mdが読まれます。ただ、AGENTS.md(Codexなどが読む指示ファイル)が同じ場所にあると、CLAUDE.mdは読まれません。

もう1つ。「Hermes Agent Configuration」のページには、読み込みに5秒を超えた指示ファイルは飛ばす、とあります。例に挙がっているのは、iCloud Driveのような、ネットワーク越しの置き場所です。クラウドと同期しているフォルダで作業している人は、指示が読まれないまま動く可能性がある、ということです。

LINEで使うには、マシンの公開が必要

Hermes Agent公式ドキュメントのLINEの設定ページには、LINEのメッセージは公開されたHTTPSのアドレスへ届く、と書かれています。つまり、Hermes Agentを動かしているマシンを、インターネットから届く状態にする必要がある。ドキュメントは、Cloudflare Tunnelやngrokなど(外から自宅のマシンへ通り道を作るサービス)を例に挙げています。

同じドキュメントのTelegramの設定ページでは、初期設定がHermes Agentの側から取りにいく方式なので、公開用のURLが要りません。

言のハト
言のハト
いちばん差が大きいメリットに
マシンの公開という準備がついてくるんですよね 個人的にこれがちょっと引っかかる

ローカルLLMは、64,000トークンの文脈が条件

「LLM and Model Providers」のページには、ツールを使うエージェントとして動かすには最低64,000トークンの文脈(AIが一度に読める文章の量)が必要で、それより小さい設定は起動時に拒否される、と書かれています。無料運用を考えているなら、手元のモデルが届くかを先に確認をしておきましょう。

Hermes Agentを入れたら最初に見直したい設定は?

自分のMacに入れて確かめました(2026年10月1日)。入れた直後の設定ファイル(~/.hermes/config.yaml)は、こうなっていました。

  • model.provider: "auto"(見つかった認証情報から、AIモデルの提供元を自動で選ぶ)
  • auth.adopt_external_logins: true(ほかのツールのログインを借りる)
入れた直後の設定ファイルの抜粋(adopt_external_logins が true になっている)

設定ファイル自身のコメントにも、2つのプログラムが同じログインを使うと、互いをログアウトさせることがある、と書かれています。

何も登録していない状態でhermes auth list(登録済みの認証の一覧を出すコマンド)を実行すると、GitHub CLI(GitHubをターミナルから操作するツール)のログインが、Copilot(GitHubのAIコーディング支援)用として登録されていました。

hermes auth list の実行結果(GitHub CLIのログインがCopilot用として登録されていた)
言のハト
言のハト
初期設定の中身を見たとき、結構いろいろいじれて
OpenClaw的な危険さを少し感じました

OpenClawは、公式リポジトリのREADMEによると、自分の端末で動かして、チャットから使うAIアシスタントです。

この初期値の意味は、「Security」のページに書かれています。Hermes Agentは、自前のログインが無いとき、Codex CLI(OpenAIのコーディングツール)とClaude Codeのログインを借りて、代わりに更新できる。どちらも更新のたびに鍵が入れ替わる使い切り式で、2つのプログラムが同じ鍵を持つと、先に更新したほうが相手の手持ちを無効にする、という説明です。

Copilotについては、「LLM and Model Providers」のページに、認証を探す順番の最後がGitHub CLIのログイン(gh auth token)だと書かれています。

自分が確認できたのは、初期値がこうなっていることと、公式ドキュメントにこの仕様が書かれていることまでです。 Hermes Agentを起動する前に設定を変えたので、ログインが実際に借りられるところ、追加使用量から引かれるところ、ログインが切れるところは見ていません。

変えた設定は4つです。

# 1 ほかのツールのログインを借りない
hermes config set auth.adopt_external_logins false

# 2 Copilot用に登録されていたGitHub CLIのログインを外す
hermes auth remove copilot <id>

# 3 Claudeの定額の枠で動かすプラグインを入れて、モデルを決める
hermes plugins install claude-subscription-directsdk
hermes plugins enable claude-subscription-directsdk-experimental --no-allow-tool-override
hermes config set model.provider claude-subscription-directsdk-experimental
hermes config set model.default sonnet

# 4 危険なコマンドは毎回確認にする
hermes config set approvals.mode manual

<id>は、hermes auth listに出たidに置き換えます。外したあとは、登録0件のまま。

インストールのときにも1つ。Hermes Agent公式ドキュメントの「Installation」のページによると、ブラウザを操作するツールと、画面を操作するツール(computer-use)が既定で入ります。自分は、どちらも入れない指定(--skip-browser --skip-computer-use)で入れました。

Hermes Agentはどんな人に向いている?

入れる意味がはっきりあるのは、次の3つの場面です。

  • LINEから使いたい
  • Claude以外のモデルも1つの窓口で使いたい(1社に縛られたくない)
  • 「育つエージェント」という仕組みそのものを触ってみたい
Hermes Agentを入れる意味がある3つの場面(LINEから使いたい・Claude以外のモデルも1つの窓口で使いたい・育つ仕組みを触ってみたい)

どれにも当てはまらないなら、急がなくていい。外からの操作も、定時実行も、記憶も、スキルも、Claude Codeの側にあります。

言のハト
言のハト
自分は、一旦1時間くらい触ってみてから決めようと思います

むすびに

  • Hermes Agentでできることの大半は、Claude Codeと重なる。差が大きいのはLINE
  • Claudeの定額の枠で動かす道は、実験版のプラグイン。回せる量は対話の約6割(プラグイン作者側の実測)
  • 入れるなら、起動する前に設定ファイルとhermes auth listを見る

3つの場面に当てはまらなければ、今のClaude Codeのままで足ります。

それではまた。

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