マルチクリエイター『yukkedoluce』
yukkedoluce/ゆっけどるちぇさん(以下ゆっけさん)をご存知でしょうか。ポカロPであり、コンポーザーであるマルチクリエイター。既に一定数にかなり人気を博してますが、バンドを始めた彼がこれから先、さらに人気になってほしいのでこれを書きます。
単刀直入に言いますが、彼は才能の塊です。そして努力家です。
楽曲の美しさ
突き抜ける美しさ
この曲を初めて初めて聴いた時、涙が出そうになる程、楽曲の美しさに度肝を抜かれた。寒さを感じるような音使いなのにすごくあったかい。
”ゆっけ「再生一度だけね」 僕 「….リピートポチー」”
彼の楽曲との出会いは4年程前。”まったく知らない曲のオフボーカルに、メロディつけてみて答え合わせをする”という遊びをしている時に、偶然彼の楽曲を見つけた。それが一つ目の「Good Morning,Polar Night」でした。
Yukkedolceさん ≒ おかゆ
ゆっけさんの創る作品は、どれもあたたかい。風邪をひいたときに出してもらう「おかゆ」のような優しさがある。もしくはうどんを炊いてくれるお母さん、相談できない時に、何も言ってないのにタイミングよく連絡くれる人だとか。そういった類いの優しさを彼から感じます。
絵の柔らかさ
PVにアニメーションがあったと思うのですが、この絵、彼が書いています。絵コンテを制作し、彼自身でアニメーションを作り上げてPVとして世に送り出しています。
ファンタジーテイストでとても可愛い。淡くシリアスなタッチの絵も良い。描くキャラの笑った顔が堪らない。表情が豊かで喜怒哀楽がよくわかる線を彼は描きます。
イントロから度々外れる音が面白い。壊れてしまったロボットががんばって音を奏でてるみたい。
アニメーション作品を作り上げるのは、とんでもなく時間と労力がかかるもので、これを1人でやってのけるのは尊敬の念。楽曲も創り、絵も自分で書いて動画も制作する。途方もない時間。ゆっくりと時間をかけて彼は作品を煮込みます。そんな彼の作品をたくさんのファンが焦らさずに待ちます。
歌声が優しい
近年、ボカロPが前に出て来ることが増えましたが、ゆっけさんも例に漏れず、自分自身で歌って、フロントマンになれる存在です。
歌声がほんわりとしていて、ゆたんぽの毛布の部分のような声だなと思いました。Twitterでもカバーの弾き語りをよくあげていたので、動画で出す前から歌声をちょくちょく聴いていましたが、こうして音源で聴くと余計に思います。優しいと。
自分で自分の曲を歌えるので、これから先露出が増えていって欲しい。元々彼の曲は人が唄う前提で創られているので、人が唄うとまたしっくりきます。メロディが本当に素晴らしい。
バンド活動も始めたようで、ゆっけさんの曲がどうやってライブで表現されるのか楽しみ。バンドをするにあたっては、優しすぎる声が逆にあだになる場面ももしかしたらあるかもしれないですね。どうなるでしょうか。
【ライブ告知】
doluce結成初となるワンマン企画ライブ開催決定!
『Doluce's Cafe』
3/31(土) open/start 12:00/12:30
恵比寿天窓switchhttps://t.co/Oq6rZNc2nY
チケット料金 ¥2,400円(別途1drink ¥600)
2/12 21:00より予約受付開始
※予約方法など詳細については後日ぜひぜひお越しくださいませ pic.twitter.com/GNAXfGIz6N
— doluce (@doluce_official) 2018年2月1日
小説も執筆
2016年に小説「泡沫少女とイデアの少年」をリリースしています。
永遠世界の物語「林檎売りの泡沫少女」だけではなく、
その対となる有限世界の物語「イデアの少年」という新たな物語を描きました。
交わるはずのない、全く別の世界でのふたつのお話は、やがてひとつに——
彼のブログ 彩音より
Twitterで告知みたとき、「まじか。そこまでやっちゃうのか。」と思いました。ジェパンニPもボカロPでありながら小説を書いていましたが、小説まで書いている人はほんの一握り。
小説一本書き上げるというのは、歌詞を書く、ちょっとしたショートエッセイを書くのとわけがちがいます。どちらがどうの優劣は付けられませんが、短時間で絶対に完成しないものが小説。物語を書く柔軟性の高さと、追求の深さから、小説まで書ききってしまうとは天晴。
ゆっけさんの普段の言葉使い(Twitter等)を見ていても思うのですが、とても丁寧な人です。その丁寧さは、作品にも現れていて、惰性や慢心を見せないので彼の作品にはどこか信頼があります。
彼のルーツのひとつ
ゆっけさんはBUMP OF CHICKENに影響を受けており(本人確認済)、BUMPの楽曲を彷彿とさせる点が所々見られます。ギターの音作り・リフ・メロディ・歌詞には通じるものがあります。初期のボカロ作品も今の作品も影響を受けていると感じました。
また『Good Morning,Polar Night』含め、ゆっけさんの作品は変拍子の曲もあり、難しいリズムが多い。
BUMPの楽曲(orbital period以降)にも、たびたび変拍子が使われていて、自分はそれらで慣れているため、余計にハマり、聴きやすかったのかもしれないです。
たくさんの曲が物語調であることも、多少なりとも影響を受けているようです。
むすびに
冒頭にも言いましたが、彼は才能の塊で、なおかつそれを形にする事が出来る努力者。才能があっても形に出来ない人や、努力を怠って、怠けてしまう人もいます。彼は自分の創りたいものをしっかりと形に出来る表現者です。本当に創りたいという思いがなければ、ここまで幅広く活動は出来ません。
4年前の当時は、ボカロの声というのが、どうしても苦手で、ボカロの楽曲は誰か人の声が入ったものが聴くようにしていました。けれど、「Good Morning,Polar Night」を聴いて、初めてボカロの声で「あ、聴ける」とうねらされました。
なぜ聴けるのかと考えると、ゆっけさんの創る初音ミクの声は人間味を感じるからで、ボカロで感情の表現が出来ている。彼の操る初音ミクはもはや人間。メロディ・伴奏・編曲・調教、全てがドンピシャで、ゆっけさんの曲をそこから沢山漁り、たくさんに魅了されました。彼の創る音楽・言葉・情景は本当に優しく美しい。
全ボカロ曲(ゆっけさん以外含め)で、 『Good Morning,Polar Night』が断トツで好きです。あんまベタ褒めすると嘘っぽくなるけど本当に。どれ聴いても王座から崩れません。
バンドを始めたということで、より一層応援しています。ライブでもし会えたら嬉しいです。
それではまた。
<文・編集 = hitoto(@tonariniwa)