PVの奇抜さと歌詞のユーモア、コムアイのパフォーマンスで一気に有名となった水曜日のカンパネラ。
桃太郎が一番有名だけれど、あれはパフォーマンスやMV、演出ありきの曲で、曲単体で聴くのは中々に厳しい人も多い。
あれで一躍有名になってしまったせいで、「水曜日のカンパネラね? あの桃太郎の」とそれだけで終わっている人がほとんどだったりする。
正直、それはもったいないなと思います。
水曜日のカンパネラの曲って実はかなり高クオリティなんですよ。
派手さやパフォーマンスの独自性やらで毛嫌いしている人も多いだろうけど、今回は、桃太郎しか知らないような水曜日のカンパネラ初心者の方々にオススメしたい、比較的聴きやすい曲を紹介します。
音楽好きなら聴いておくべき水曜日のカンパネラの曲。ひいてはMV(PV)なしでも音源だけで聴ける曲を紹介していきます。
嫌いな人に一回聴いてほしい曲たち
シャクシャイン
水曜日のカンパネラを苦手な方に聴いて欲しい曲堂々のNo1。
北海道の地名の羅列から始まるイントロにまず耳を奪われる。リズムが良すぎる。
厚岸(あっきし)があらゆる場面でいい味を出している。言葉の使い方が本当に上手い。ケンモチヒデフミのセンスの高さ。
最初の「鍛高譚(たんたかたん)」もしっかり北海道の地名。たんたかたん たんたかたん とんっ。お酒の銘柄にもあるので、お酒を飲む人ならそちらが先に頭に浮かびそう。
1番が終わった後の間奏部分の、いっきに音が自由になって厚みが増し、風が吹き抜ける感じが最高。是非イヤホンで楽しんでほしい。
是非といわずイヤホンで大音量で聴いてください。もうこれはただのお願いです。懇願です。
凄まじい開放感があって、北海道の寒色や自然観が感じられます。(嘘くさいですが本当に。)
メロス
洒落てる。一度聴くと分かりますが、とにかく洒落てる。イントロのリフからワクワクを感じさせる。
『桃太郎』のようなネタを感じさせる歌い方はなく、このあたりからアーティスティックな仕上がり。
アウトロのあの終わり方は、ムズムズさせるずるい終わり方で憎いですね。 つい他の曲を聴きたくなったり、メロスをリピートしてしまう魔力のある絶妙なアウトロ。
MVは実写オンリーでCG等は使われておらず、映像美の美しさが光る。モンゴルとコムアイ。コムアイ本当に民族衣装とか似合いすぎる。そんな映像も必見でしょうか。
曲だけで聴けるっていいつつPVもオススメしちゃいます。けれど、この曲も曲だけ聴いても心地よし。
一休さん
「一休さん。ありがとさん。」この歌詞とリズムで相対性理論の『ルネサンス』を思い出した人も少なくない。自分も思い出した。
(語感を大事にするという意味で、両アーティスト通じるものがあるのかもしれない)
『一休さん』のラップの部分は、くせになる要素だらけで賛否両論分かれそうですが、多分大丈夫。上の曲達を聴いた後なら、もうだいぶ耐性がついてるはず。
いつの間にか口ずさむフレーズ力がある。レディーガガの格好のオマージュなんだろうか。にしてもサングラス似合うなコムアイ。
このシーンほんとに楽しそう
ビジュアル面も必見
曲の美しさもさることながら、このPV、コムアイが美しすぎる。「映像なしでも聴ける曲」の紹介ですが、このPVだけに関してはどうしてもビジュアル面も言及した。ほんとにコムアイ綺麗なんですよ。
女性も男性に好かれやすい顔のようで、様々な場所で絶賛されています。(国外にもファンがちらほらいるよう)
ビジュアルだけでPV見てしまう人がいるんではないかな?と思うレベルで映像美も綺麗です。コムアイの表情が豊かで、これまた。
曲もいいのですが、こちらはPVがPVとして機能しすぎている好例。
監督は椎名林檎なども多く手がける児玉裕一さんで、黒人のダンサーはえんどぅさんというフリーのダンサー。
遠藤時代名義のグループのダンスは必見。(なんの紹介だこれ?) 異国情緒あふれるPV。
むすびに
本当はもっと紹介したい曲があるのですが、youtubeに動画がなかったりするので、今回はこの曲達に。
桃太郎で毛嫌いしている人に是非聴いて、印象を変えてもらいたいと思い書きました。ナポレオンとかピカソやらジンギスカンやらも機会を設けて書きたい所。
最近は、コムアイのアーティスト性やタレント性を推しているようで、初期ほどネタに全振りしていないような印象を受けます。大衆受けを狙っているような傾向があるけれど、なんにせよ水曜日のカンパネラの音楽はクオリティが高いです。
聴きやすくも、没個性とならない絶妙なバランスを保っているアーティスト。
昔のアルバム(ブレイク直後)は映像がないと聴くのが少ししんどいものがあったのですが、『ジパング』以降のアルバムは普通に音源だけで聴けちゃいます。
というのも、最初は自分も苦手でした。『マリー・アントワネット』などすごく苦手でした。
『桃太郎』や『マリー・アントワネット』等は狙いすぎていて、「ほら?おもしろいでしょ私達」というのが強く前面に出過ぎていて、なかなか好きになれませんでした。ですが、今の彼らの音楽はそんなに身構えず聴き流せちゃうものが多いです。
”ジパング”や”スーパーマン”はカンパネラ初心者にオススメのほんと良いアルバム。
一発屋だとかイロモノだとか、そういった色眼鏡は一度外して、純粋に音楽として水曜日のカンパネラを一度聴いてみてはいかがでしょうか。
それではまた。
<文・編集 = hitoto(@tonariniwa)