音楽

”音の鳴る絵画”と称したいポップでアートな音楽家『大槻美奈』

彼女は音楽の上では、縦横無尽に自由。


京都出身の22歳女性シンガーソングライター、大槻美奈。関西を中心に全国的に活動。

彼女は同年代の中で、頭一つ抜けている。シンガーソングライター枠でもバンド枠でもなく、「音楽家」として飛び抜けた能力を持っている。

まずは一度聴いてみて欲しい。

『Apple Music』視聴リンクを作ってあります。ページ内でスクロールしながら聴けますのでお気軽に。
※音量が大きい可能性が高いのでボリュームにご注意お願いします。

楽曲

伽藍堂

記念すべき初PV。初映像作品でタイポグラフィ・グラフィックアートのみの挑戦的な作品。彼女は「伽藍堂という作品に、人の姿はいらなかった」と言っていて、本当に人が出てこない。

音と文字とグラフィックに魅了される美しくも尖ったPV。

最後の最後に大サビ(2:49〜)。最後の展開部分にだけサビを乗せるハチャメチャっぷり。そのメロディとリズムが本当に面白い。

サビサビ言ってるけど、この曲はサビという概念がいらない。全編通さないとこの曲は完成しないです。こちらも人がおらず、絵で構成されたMV。

アミュレット

 この完成度。そんじょそこらのシンガーソングライターでは傷もつけられない、太刀打ちできないダイヤモンドみたいな硬度。真っ向勝負したら硬すぎて泣く。

アウトロの駆けるようなドラムとピアノの噛み合いが、なんともドラマチックでたまらない。MVのモデル・役者は竹内ももこさん。

竹内ももこさんのTwitter

竹内ももこ


メロディセンス、転調の使い方、展開力、等など体感できたでしょうか。ここでは「ポップ寄り」な曲ですが、これは序の口、氷山の一角。

曲展開がこれより遥かにぶっ飛んだ曲が他にもあります。飛んでるけど崩れない音楽。もっと人をゾクゾクさせる曲を彼女は持っています。肯定的な意味で、身の毛がよだつ。

上の3曲だけ聴いても、ドラマだったらまだ2話目を観終えたくらい。起承転結は始まったばかり。

彼女の作品は芸術性が高く、言うならば「音の鳴る絵画」。美術展で、絵画を見ていたら急に音が鳴るような。

それに加えてポップさで、本来理解の難しい芸術が、あちらから歩み寄ってくる。そんな感覚を持たせてくれる。


「芸術性の高いもの」に、人は苦手意識を持つものなんですが、そこのバランスが上手い。

「芸術性+わかりやすさ」。クラシックを池上彰が紐解いてくれてるような。苦手な人参もカレーに入っていたら食べれるように、数学が嫌いでも先生の教え方次第で好きなったり。とっつきやすいけど実は難解。難解だけどとっつきやすい。絵画が「ハロー」と声をかけてくるような、そういう音楽。

紹介したい大好きな曲がまだまだあるのですが、気になれば是非CDを手に。

1stアルバム「MIND」は通販もしており、彼女のホームページより購入できます。まさかの1000円ぽっきり。価格設定どうなってるんだ。

 

ドラムにはスタジオミュージシャンの戸渡ジョニーさんが参加しています。

大槻美奈のすごさ

間口が広い

音楽の原点はクラシック。また両親がジャズなどを好きである。彼女自身もバンド音楽を中心に幅広く聴いている。けれど、彼女の音楽はルーツで語れない。あらゆるジャンルの音楽に耳を向け、取り込み、咀嚼し、自分のものに昇華している。

音楽理論に精通していて、さらに作曲センスまで兼ね備えてる。そこが若手の中でぶっとんでる。選り好みせず、まずは食べてみようの精神。

ルーツだとか影響を受けたものだとか、そんなもの説明するだけ無駄に思えるほど、彼女の音楽はバラエティとオリジナリティに溢れています。

音で語れる

彼女はコミュニケーションがあまり得意ではない。MCや会話は、お世辞にも上手いとは言えません。けれど、いざ音楽となると雄弁になる。音がよくしゃべるのなんの。言葉や気持ちが音楽に飛び乗って、縦横無尽。思いの丈が全て音になり、鳴る。

さて会話をしよう、はいっ。

対立しない

人柄が良く、色々な人に愛されてます。会話が苦手だと前述しましたが、彼女のまわりには人がたくさんいます。素直な性格で、嘘偽りなく言葉を扱える彼女の周りには、上手く会話が出来なくても自然と人が集まる。

一歩間違えば、一匹狼になりえそうな程の才能をもっているのに、朗らかで人当たりがよい。むしろ、能力がある”から”朗らか。対立せず、あらゆることを認め、人と関われる。ここが彼女の最大の武器であり魅力であると思います。音楽を強くする第二の刃。

むすびに

音楽が大好きで、音楽を愛し愛されてる彼女。時にそれが原因で、苦悩し音楽を嫌いになりそうになった時代もあるよう。表現者として誰もが通る苦悩。けど、悩める事もまた一つの能力だと僕は思っています。

「一つのものに悩みこむ」のはくだらないと言われる事もあるけど、とても重要なこと。無理せず、音楽や人とゆっくり向き合ってほしいです。

ポップさを持ち得たアーティスティックな音楽家。この子の音楽は埋もれてほしくない。

表現者としても人としても、とても尊敬できる。もっといろんな人の耳に届いて欲しい。

現在2ndアルバム「SOUND」をリリースし全国でライブしています。どんどんライブのクオリティがあがっています。よければ足を運んで下さい。

「SOUND」傑作です。

それではまた。

<文・編集 = hitoto(@tonariniwa

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